HILLS BOWLACAI & SALADHILLS MAGAZINE
HILLS MAGAZINE / STORY 40

『鰻の成瀬』に学ぶ二等地戦略。HILLS BOWLが家賃半分以下で一等地の売上を超えた理由。

鰻の成瀬に学ぶ二等地戦略。家賃を抑え、デリバリーと顧客還元で売上をつくるHILLS BOWLの記事カバー
カバー画像はイメージです。

一等地に店を出せば、繁盛する。

駅前、大通り沿い、人通りの多い商業施設。

飲食店経営において、立地が重要であることは間違いありません。

しかし、ここで一つ質問があります。

あなたが目指しているのは、売上の高い店ですか? それとも、利益の残る店ですか?

この問いに対して、興味深い答えを示しているのが、全国に展開するうなぎ専門店「鰻の成瀬」です。

そして、私たちHILLS BOWL(ヒルズボウル)も、実際の店舗運営を通じて、同じ考え方にたどり着きました。

今回は、鰻の成瀬の出店戦略と、HILLS BOWLが大阪・心斎橋の一等地で経験したことをお話しします。

01|『鰻の成瀬』が実践する、二等地戦略。

鰻の成瀬の出店戦略で注目したいのが、二等地・三等地や居抜き物件の活用です。

一等地にこだわらず、家賃や初期投資を抑えられる物件を選び、コスト構造を最適化しています。

この戦略が成立する理由の一つは、うなぎという商品の特性です。

「今日はうなぎが食べたい」

そう思ったお客様が、自ら店舗を探して訪れる「目的来店型」の商品です。

つまり、お客様に選ばれる理由があれば、必ずしも一等地である必要はありません。

固定費を抑え、その分を商品の価値に還元する。

品質と価格のバランスを高め、顧客満足度(CS)につなげる。

この合理的な経営戦略には、学ぶべきことが数多くあります。

02|家賃60万円と20万円。その差は年間480万円。

例えば、二つの物件があったとします。

家賃一等地二等地
月額家賃60万円20万円
年間家賃720万円240万円

※戦略を説明するための仮想例です。

その差は、年間480万円。

この480万円を広告宣伝、食材の品質向上、スタッフの待遇改善に使えるとしたら、どうでしょうか。

もちろん、一等地には高い集客力があります。

しかし、その家賃に見合う利益が残らなければ意味がありません。

良い場所を借りるための480万円か。

良い店をつくるための480万円か。

経営者なら、一度は考えたい選択です。

03|一等地のBIGSTEPより、二等地の堀江の方が売れた。

ここからは、HILLS BOWL自身の実体験です。

私たちは過去に、大阪・心斎橋の大型商業施設「心斎橋BIGSTEP」の1階路面で、複数回のポップアップ販売を行いました。

場所は、ゴンチャの店舗の目の前。

非常に人通りが多く、実際に行列ができる場面もありました。

一等地の集客力は、やはり圧倒的でした。

しかし、結果は意外なものでした。

BIGSTEPよりも、家賃が半分以下の堀江本店の方が、売上を大きく上回ったのです。

その理由は、デリバリーにありました。

04|雨が降ると売上が下がる店。雨が降ると売上が上がる店。

BIGSTEPでの販売は、店頭が忙しくなるほど、デリバリーに対応する余力がなくなっていきました。

さらに、大きな影響を受けたのが天候です。

晴れた日は売上が好調でも、雨が降ると人通りが減少し、売上が大きく落ち込むことがありました。

一方、堀江本店では、逆の現象が起こります。

雨が降ると、デリバリーの売上が大きく伸びるのです。

外出を控えるお客様が、自宅や職場から注文してくださる。

同じアサイーボウルを販売しているのに、

一等地では、雨が売上を下げる。

堀江では、雨が売上を上げる。

この違いは、売上をつくる仕組みにありました。

05|一等地の弱点を、二等地の武器に変える。

HILLS BOWL堀江本店では、店頭が落ち着くアイドルタイムを、デリバリーの売上に変えています。

一等地では店頭対応で手いっぱいになる時間も、二等地では厨房設備やスタッフの余力を活用できます。

その結果、固定費を抑えながら、一等地を上回る売上を実現しました。

高い家賃を払って、人通りで集客する。

低い家賃で、時間と設備の余力を売上に変える。

もちろん、二等地ならどこでも成功するわけではありません。

商圏、競合、商品力、デリバリー需要。

それらを見極めたうえで、集客の仕組みを設計することが重要です。

06|鰻の成瀬とHILLS BOWL。共通する顧客還元の考え方。

鰻の成瀬は、固定費を抑えることで、高品質なうなぎを手頃な価格で提供することを目指しています。

一方、HILLS BOWLも、固定費を抑えることで生まれた経営余力を、商品づくりやサービス、お客様への価値の還元につなげています。

鰻の成瀬は、固定費を下げて品質を高め、CSを獲得する。

HILLS BOWLは、固定費を下げて顧客に還元し、CSを獲得する。

業態は違っても、目指す方向は共通しています。

そして、その積み重ねが結果につながりました。

HILLS BOWLは、約4,000店舗を対象とするmenuのリピートランキングで、第1位を獲得しています。

一度売れることよりも、何度も選ばれること。

私たちは、そこに飲食店経営の本質があると考えています。

07|浮いたお金を、何に使うか。

一等地への出店が悪いわけではありません。

実際にHILLS BOWLも、BIGSTEPでその集客力を実感しました。

しかし、立地は成功するための手段であって、目的ではありません。

HILLS BOWLでは現在、この考え方をフランチャイズや既存厨房を活用するゴーストレストランの展開にも取り入れています。

新たな固定費をできるだけ増やさず、既存の設備や時間を活用して売上をつくる。

その先にあるのは、経営の余力と顧客満足度の向上です。

最後に、飲食店を経営する皆様へ。

あなたなら、浮いたお金を何に使いますか?

広告費?

スタッフへの還元?

それとも、商品の品質向上?

正解は、一つではありません。

しかし、確かなことが一つあります。

その選択が、お店の未来を変える。

HILLS BOWL

大阪・堀江発のアサイーボウル&サラダボウル専門店。

実店舗の運営経験をもとに、フランチャイズ、ゴーストレストラン、飲食店の集客・経営支援を展開しています。